古代はエジプト、中世はヨーロッパで王や貴族に愛されたグレーハウンドを祖先に持つイタリアン・グレーハウンドは、引き締まった体と気品あふれた顔立ち・容姿を兼ね備えています。穏やかで我慢強い性格で狩猟犬の一種でした。
では、そんなイタグレの愛称を持つ イタリアン・グレーハウンドの性格や寿命、病気について知りましょう。
目次
イタリアン・グレーハウンドの性格
イタリアグレーハウンドは、穏やかで優しい性格です。ただ、我慢強く神経質な一面もありストレスを溜めやすいようです。穏和なので子供さんのいる家庭や他の犬がいるお家でも飼いやすく無駄吠えも少ない犬種です。活発で何かを追いかけたり、走ることが大好きです。外で一緒に走り回ってください。
人見知りをするようで見知らぬ人には近づこうとしません。また、攻撃的な行動に出ることはありません。
イタリアン・グレーハウンドの寿命
イタリアン・グレーハウンドの寿命は12~15歳。比較的 長生きするようです。しかし、ストレスを溜めやすい性格なので病気の原因になります。どの犬種でも言えることですが、なるべくストレスのかからない生活を心がけて少しでも長生きしてもらいましょう。
イタリアン・グレーハウンドの歴史
紀元前、古代エジプトのファラオの墓やローマ遺跡などからイタリアン・グレーハウンドに似た壁画・絵画が存在しており古くからいたものと考えられます。紀元前5世紀頃にイタリアに伝わったとされ、ルネサンス時代には貴族の肖像画にも登場しているくらい可愛がられたようです。その後もヨーロッパの貴族から愛されイギリスのチャールズ1世やアン王女、ヴィクトリア女王などに寵愛されました。
イタリアン・グレーハウンドの特徴
体高は32~38cm。体重は5kg以下。体格は細身でスクエアボディです。グレーハウンドを小型化した犬種です。
耳はローズイヤーと呼ばれ耳の内側が見えて、後ろに反り返って垂れています。
歩くときは、首を真っすぐ伸ばして頭を上げ前脚を高く上げ下し前脚と後足を揃えて飛ぶように走るのが特徴的です。
短毛で毛色は、フォーン・レッド・グレー・ブラック・ホワイト・ブルー(明るい灰色)・クリームとたくさんの色があり、白いマーキングが入ります。被毛は、オーバーコートのみのシングルコートです。
イタリアン・グレーハウンドの飼い方
抜け毛は少なく日ごろのお手入れは楽ですが、柔らかめのブラシでブラッシングし、タオルで拭いてあげましょう。シャンプーも月に1回程度。それ以上シャンプーしすぎると皮膚が乾燥し皮膚炎の原因にもなります。
注意ポイント
室内の乾燥に注意してください。空気が乾燥しているとフケが出やすくなります。床暖房の部屋などは乾燥しやすいので加湿器などで対策してください。
寒さには極端に弱く冬場などは服を着させて体温管理に努めてください。散歩の時は、頭が小さく首輪が抜けやすいので出かける前にしっかりサイズを合わせるかハーネスを使うようにしましょう。
家族に対しては従順で献身的です。人の気持ちを敏感に察知しますので叱り方には注意しましょう。強く怒ってしまうと萎縮しストレスを溜めます。他のペットや人の子供とも仲良くできます。
イタリアン・グレーハウンドのかかりやすい病気・ケガ
・カラーダイリューション脱毛症(CDA)
ブルーなどの被毛を持つ犬種に起きる遺伝性疾患の脱毛症です。毛の中のメラニン分布が不均等なため、被毛が非常にもろく生えてきても途中で折れてしまうため、その箇所だけ毛が生えていないように見えます。
遺伝的な要因なので、予防法や決定的な治療法はありません。まずは、脱毛を引き起こす可能性のある病気にならないようにすることです。アレルゲンや寄生虫の接触を無くし、衛生的・健康的な生活環境を整えてあげましょう。
・骨折
イタリアン・グレーハウンドは体重が軽く跳躍力がありますが四肢ともに細く、転倒したり抱いていて落ちた時、ベンチから飛び降りただけでも骨折といったこともあるようです。
治療は、ギプスなどで固定する場合や、骨にピンを入れたり、ボルトやプレートで止めたりする場合があります。骨折した部位や、骨折の状態、年齢などにより治療法は異なります。
・膝蓋骨脱臼
小型犬に多くみられるのが膝の骨のお皿が右ないしは左に外れてしまう膝蓋骨脱臼。片足を不自然に上げていたり動く際にキャンと鳴くような時は診察を受けましょう。
予防としては、足腰に負担がかからないように、肥満防止の食事管理や、滑らないようカーペットを敷いたり対策が必要です。
治療は、内科的治療として内服薬・サプリメントの投薬。レーザー治療を行う病院もあります。外科的治療は、手術となります。進行の程度や年齢など考慮して判断されます。
・白内障・緑内障
水晶体が白濁する白内障や眼圧の上昇が起こる緑内障など目の病気が多いとされています。緑内障で眼圧が上がっている場合は目が飛び出て見えます。目が見えにくくなると障害物にぶつかったり、散歩に出るのを嫌がります。
予防法はありません。白内障の内科的治療は、点眼薬で進行を遅らせます。外科的治療は、手術という手段がありますが、進行しすぎて手術が行えない場合もありますし、眼科専門の施術ができる動物病院も少ないのが現状です。
緑内障の場合も、薬を使って眼圧を下げる内科的治療、眼圧が高くなる眼眼房水の循環をよくしたり、眼房水の産生を抑える外科的治療をおこないます。
・網膜剥離
眼球の硝子体に変性を起こしやすいとされています。それが原因で網膜剥離となりやすいそうです。
治療は、剥離した部分の再付着の様子を待ってみたり、レーザー治療を行うことがあります。他の病気で網膜剥離になった場合は、原因となった疾患の治療をおこないます。
どちらか片側の眼に網膜剥離が発症した場合は、もう片方の眼も発症しやすくなるので、定期的に診察を受けてください。
まとめ
イタリアン・グレーハウンドは、暑さ寒さに弱い犬種です。散歩の際は対策が必要です。夏場は、早朝や陽が落ちた夕方以降、冬場は日中のお日様が出ている時に防寒対策をして出かけてください。室内でも季節によっては温度管理が必要です。
太ってしまう関節や骨に負担がかかるので骨折や脱臼の心配が出てきます。食生活・体重管理にも気をつけてください。
幼い頃から運動をさせて骨折しないようにある程度の筋肉をつけるようにしてあげて、より良いペットライフを楽しみましょう。
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