シーズーは、古来、中国の宮廷で愛されペキニーズとラサ・アプソを掛け合わせた犬種です。
つぶらな瞳、短い鼻、ぺちゃんこな顔が特徴のシーズー。清朝時代の末期に宮廷や貴族たちの間で飼われていた犬種です。そんな宮廷で愛されたシーズーの性格や寿命、飼い方や病気について見てみましょう。
シーズーの性格
穏やかで甘え上手です。飼育や躾の面で子供や お年寄りのいる家庭、初心者の方でも飼いやすい犬種です。ただ、マイペースで頑固な一面もあり一度 間違った事を覚えてしまうと直すのが大変です。いけない事をしたら きちんと叱り、良いことをした時は たくさん褒めてあげてください。もともと頭の良い犬種なので根気よく躾ければトイレの失敗や無駄吠えなどすることはありません。
他の犬とも仲良くなれるので多頭飼いも容易でしょう。
シーズーの寿命
シーズーの平均寿命は10~16歳。小型犬の中でも寿命の長い犬種です。現代は、医療も進歩していますし屋内で飼われることが多いことから犬も長生きになっています。ただ、個体によってはそうではない場合もありますので日ごろの飼い主さんの健康管理・体重管理はもちろん、ストレスを与えることも軽減させていって長いペットライフを楽しみましょう。
シーズーの歴史
清朝の宮廷、貴族に飼われていたシーズー。「獅子狗」(シーズークゥ「獅子犬」)と呼ばれていたそうです。 チベットの僧院から中国の王王族・貴族へ、聖なる動物として送られました。シーズーはラサ・アプソとペキニーズを交配して作られた犬種とされています。
シーズーは、西太后(1861~1908)の時代に特に寵愛されたといいます。一部は、ヨーロッパに渡りましたが、ほとんどが紫禁城の中で飼育されました。しかし、19世紀後半に起こった第二次アヘン戦争によって、西太后は紫禁城を追われ、城に残った犬たちはイギリス・フランス軍によって略奪、虐殺されました。子の時、一部は犬好きのイギリス人により保護され持ち帰られました。
その後、1950年代に入り共産主義革命が起こり、犬の飼育は退廃の象徴とされ、多くの犬が虐殺されてシーズーも絶滅寸前までになりました。
アヘン戦争以前に、王朝からイギリスに送られたシーズーの子孫や、戦争時に保護され渡英したシーズーが土台となり、改めて繁殖の道へ歩み始めます。
シーズーの特徴
シーズーは垂れ耳で、しっかりとした、四肢です。体高は20~30cm。体重は5~8kg前後。寒冷地の犬が祖先なので下毛が密生しています。被毛や毛色に規定がないので様々な色があります。日本では黒と白、茶色の2色が多いです、鼻は短く、丸いクリクリの目に様々な方向に伸びた鼻まわりの毛が菊の花に見えることから『クリサンセマム・ドッグ』とも呼ばれています。
シーズーの飼い方
散歩は毎日30分~1時間が理想です。社交的で神経質な方ではないので子供のいる家庭でも大丈夫ですし、他の犬とも仲良くなれます。穏やかでおおらかなのですが、頑固な面もあるので叱り方には気をつけてください。
毛は抜けにくく飼いやすい犬種でしょう。被毛が細くしなやかなので毛玉が出来やすく、こまめなブラッシングが必要です。
シーズーは、小型犬としてはガッチリした体格なので運動させないと太りやすくなります。気分転換も含めて20~30分の散歩に出ましょう。
シーズーのかかりやすい病気
・アトピー性皮膚炎
最初は若い1~3歳の時に発症することが多く、目の周り・口の周り・四肢の付け根・耳などに炎症を起こします。一度治っても繰り返し症状が出るので長く付き合っていくことになります。
症状を軽減させるため、居住スペースの掃除や布団などを干し、アレルゲンを取り除いてください。内科的治療として飲み薬や、塗り薬を処方されます。アレルゲンを注射して体に入れることで、体に慣れさせる治療もあります。
・難産
フレンチブルドッグ、シーズー、チワワ、ペキニーズ・パピヨンなどは、産道も細く難産になりやすいとされます。
適度な運動をさせ、肥満を防ぎ筋肉を作り難産の予防に努めましょう。内科的治療はマッサージや、陣痛を促す薬を投与します。状態によりますが、外科手術では陰部切開、帝王切開となります。
・鼻腔狭窄
パグやシーズー、ペキニーズなどの短頭種に多くいびきのような音のある呼吸をしていたら鼻腔狭窄の可能性があります。呼吸困難になるほどの重度の場合は、手術で鼻腔を広げます。
予防法は無いのですが、軟口蓋過長症と同じく肥満にならないように、体重を管理しましょう。また、過度な運動をさせずに熱中症にも気をつけましょう。
鼻腔狭窄症の治療は、レーザー治療が一般的です。レーザーだと、犬にとって熱によるダメージが少ないです。
・軟口蓋過長症
のどの上の肉が垂れ下がってきて気道を狭くなってしまいます。元気な時も いびきやフガフガという呼吸音はしますがゼイゼイという呼吸を頻繁にするようでしたらお医者さんに診てもらった方が良いでしょう。
先天性のものなので予防はできませんが、肥満になると呼吸ができにくくなりますので、体重の管理は大切です。外科的治療で軟口蓋を切除することがあります。
まとめ
無駄吠えが少ない犬種ですが頑固な一面があるため、躾が上手くいかないと無駄吠えし扱いにくいこともあります。幼い頃から飼い主さんは信頼関係を作り叱り方にも注意をし、正しくしつけましょう。他の犬とも上手く付き合いができるので多頭飼いも可能です。
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