皆さんは、いまだ未解決の世田谷一家殺人事件をご存知だろか?
2000年の暮れも押し迫った日に、世田谷に住む夫Mさん(当時44歳)一家が惨殺された。大晦日がくれば発生から19年にも及ぶ事件だ。
幸せそうな一家が、なぜ殺されなければならばかったのだろうか…。
目次
そもそも殺害動機は何だったのだろうか?
この殺害事件は、年の瀬も押し迫った2000年12月30日〜31日の未明に起きたとされています。
親類や近所の話では、夫であるMさん、妻のYさん(当時41歳)、長女・Nちゃん(当時8歳)、長男・Rくん(当時6歳)の4人は近隣トラブルもなく、仲睦まじい家族だった。
その幸せそのものの家族を、殺されなければならない理由が、見当たらない。
物取りの犯行なのか…夫Mさんが経営していた学習塾の授業料約20万円は無くなっており、現金が入っていたとみられる財布は残っていた。が、物色した形跡はあるものの預金通帳やキャッシュカード、貴金属類は手付かずの状態で発見されている。また、本棚にあった封筒に入った現金6万円は残されていた。
現金20万円の為に、家族4人を殺害する必要はあったのか。
そして、凄惨な殺害をするまでの理由があったのだとうか。犯人はいまだ判明せず未解決のままとなっている。
凄惨な犯行現場
殺害の現場となった4人家族の家は、三階建で1Fが、南向きの玄関を入ると奥に長くなっており、夫Mさんの事務所兼 公文の学習部屋となっており、奥の階段を上がって2Fに行ける構造だ。
2FにはLDKや浴室、トイレ、2段ベッドが置かれていた部屋がある。
そして、ハシゴの階段を上がって3Fのロフトへと続く。
遺体解剖の結果、殺害され死亡した推定時刻は30日午後11時半ごろとされる。
侵入経路は2Fの浴室の小窓とされている。玄関には、指紋も残されておらず、血痕検査の結果も出なかったので逃走もこの浴室小窓と推定されている。
侵入してまず、1人で寝ていた長男を襲ったと見られている。
2Fの子供部屋にあるベッドの上で、長男Rくんがうつ伏せの状態で亡くなっていた。死因は、首を締められ窒息させられたとみられる。
次に、異変に気付いた夫Mさんが階段を上がって来たのであろう。
夫Mさんは1F階段の上り口で階段から転落したかのように倒れており、両足は階段の1段目に乗せてうずくまっていた。後頭部には柳刃包丁の折れた先端が後頭部に刺さった状態だった。頭部、顔面、胸部、両腕、両太ももに無数の刺された跡があり、メッタ刺しされたとみられる。
2Fの浴室とトイレの間にある廊下では、妻のYさんが長女のNちゃんに覆いかぶさるように倒れていた。Yさんも頭部や顔面、頸部、背中、両腕には無数の刺し傷や打撲の跡があった。おそらく刺されながら必死に娘を守ろうとしたのであろうと考えられる。
妻と長女は、3Fのロフトで寝ていたところを襲われたが、犯人は夫を刺した時に折れてしまった柳刃包丁のみだったので、2Fに下りて台所の文化包丁を取りに行く。その間に、妻は娘と逃げようとするが、気付いた犯人が2F踊り場で殺害に至る。
また、驚くことに長女の上下の歯が折れていた。ロフトに長女Nちゃんのものと思われる歯が2本発見されている。相当な力で殴打したのであろう。
遺留品の多さや理解に苦しむ犯人の動向
殺害の凄惨さも驚くが、遺留品の多さや不可解な行動が印象に残る。
・家の鍵や財布が2Fの浴槽に投げ込まれていた。犯行時に手を負傷したのか止血の為、妻のものとみられる生理用ナプキンで処置をし、それも浴槽に投げ込んでいる。
・その後、絆創膏を貼るが、なぜかまた剥がしソファの上にあったノートに貼り付けている。
・そのノートには、クレジットカードやキャッシュカードの暗証番号を突き止めようとしたようで、さまざまな数字を書いていた。
・犯人のものと思われるB型の血痕が付着した柳刃と文化包丁が流し台の上に置かれていた。
・犯人が脱ぎ捨てたラグランシャツと黒いハンカチが残っていた。
・犯行後、冷蔵庫からカップのアイスクリームを出しスプーンを使わずに食べたようで、1、2階から合計5ケのカップが見つかった。麦茶のペットボトルもラッパ飲みした形跡もあった。
・女性もののバッグを2階トイレで用を足しながら物色した形跡もみられる。
・ソファの前で帽子、マフラー黒いジャンパー、ヒップバッグを脱ぎ捨てている。
・ハンカチやジャンパーからフランスはギ・ラロッッシュ社の「ドラッカー・ノワール」という香水が付着していた。
・血液が付いた足跡を多く残し、履いていたスニーカーは韓国製の28センチ「スラセンジャー」と判明。
・夫の遺体には、血痕が付着した段ボールが、体を隠すように置かれていた。
・その後ろにある納戸の上から3段までの引き出しを、引き抜き2本を納戸前に、1本は2Fへ運びトイレ前に置き、中のものを全部浴槽へ投げ込んでいる。
・4人が死亡していた31日午前1時18分、パソコンを5分強起動させ、劇団四季のHPへのアクセスした記録が残っている。その、およそ9時間後の午前10時5分にも、パソコンを4分強ほど起動させ、夫の勤務先の会社HPにアクセスしたのちに、強制終了している。犯行後10時間以上も現場で何をしていたのだろう…。(その後、再実験された結果、マウスが落下などの衝撃でネットに自動接続することがあるため2回目の起動以前に逃走しているのではないかともみられている。)
このように、遺留品が多く残された事件ではあるが、19年近くも解決されずにいる。
大晦日に変わり果てた姿で発見される
そして、隣に住む妻Yさんの実母が電話に出ないことを不審に思い、様子を見に行くが鍵がかかっており、呼び鈴にも反応しないので31日午前10時40分過ぎ、合鍵を使って家に入り家族の変わり果てた姿を発見することになる。
2019年12月13日、新たな情報がニュースに!
警視庁の成城署は、犯行現場に残されていた包丁を包んでいた黒いハンカチについて、フィリピンの一部地域で同じような包み方があるとの情報が寄せられたと発表した。
軍人やギャング、現地の儀式にも使われるらしく捜査本部は国際刑事警察機構(ICPO)を通じて情報収集するとしている。
事件の風化が懸念される中、警視庁が現場住宅の取り壊しを打診
今年の大晦日で19年の歳月が流れる未解決事件ですが、事件の発生現場である世田谷の住宅を証拠保全のため事件当時のままで残してきた。
関係者によると、犯人の血痕や遺留品など証拠品の収集を終えて、住宅内の状況も3D動画で記録済みだとし、保全の必要性がなくなったので、今年3月頃に遺族に取り壊しを打診したらしい。
現場の建屋は築30年が経ち、老朽化が進んでいる。2014年からは防護ネットを張り倒壊防止の対策を行っている。
できることなら、取り壊される前に事件解決を願うばかりです。
もしも、犯人に似た特徴を持った人物を知っているなど、事件に関することは こちらをどうぞ。
警視庁のサイトです。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/jiken_jiko/ichiran/ichiran_11-20/seijo.html
まとめ
19年前の年末、ニュースで事件を知った時は衝撃的でした。
大晦日、翌日には新年を迎える家族にとっては楽しい時間を過ごしたはずでした。それを、突然 奪われるなんて他人事では無いように思われたのを毎年、この時期に考えさせられます。
遺留品の多さに解決は、早いものと思っていましたが、19年も経過しています。
だが、凶悪事件に対する公訴時効廃止となったいま、一刻も早い事件解決を望みます。